6/29チェーンオブクレーターズロードがリオープンしました

カテゴリー: 溶岩と星のツアー | 投稿日: 2007.7.1

6/17以来閉鎖されていた、ハワイ火山国立公園のチェーンオブクレーターズロードが通行可能になりました。6/17からの一連のイーストリフトのマグマの新流路形成、プウオオへの流路閉塞&噴火停止、全く新しいエピソード56の噴火など、大変大きな変化をしているキラウエア火山。イーストリフトは一部では1mを越える地面の膨張をし、チェーンオブクレーターズロードも地割れが走りました。
イーストリフトゾーン上は南北に引き伸ばされ、再度違う場所からの噴火の可能性もあり、近くを走るチェーンオブクレーターズロードも封鎖されていました。
6/30現在、チェーンオブクレーターズロードはエンドオブロードまで全線開通しました。
ただし、イーストリフトゾーン上のマウナウルパーキング、そこから伸びるハイキングトレイルなどは閉鎖されています。
国立公園内の主な閉鎖場所は、上記以外ではプウオオ噴火口周辺、各オーシャンエントリーを含む2003年溶岩流から東側の海岸線の全てのエリア、国立公園東側境界線(カラパナ側)などです。
ただし、カラパナ側は今回の活動とは全く関係なく、以前より立ち入り禁止地区ですので、今後も開放する予定は全く無いとの事です。(ハワイ島郡・民間防衛局)
国立公園にお出かけの方は、当日にWebサイトhttp://www.nps.gov/havo/index.htmをチェックしてお出かけになるか、現地のビジターセンターにて情報を得て、立ち入りが禁止されている場所へは、絶対に立ち入らないようお願いいたします。
ルールを守れば安全で楽しいご旅行になりますが、無視をすれば大変な大惨事になることもある火山です。正しい情報とそれに従う謙虚な気持ちが大切です。ペレの祟りは怖いですよ。
では、6/29にリオープンしたチェーンオブクレーターズロードの状況を報告します。
まずはネネちゃんに会えました。(クレーターリムドライブですが大好きなので載せちゃいます)
(写真をクリックすると少し大きくなります)
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オヘロベリー食べてます。  食べた後踏みつけてます? バイバイ またね♪

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これが地割れの修理痕   南北に引き裂かれました   砂利の部分も割れてます
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1969年のパホエホエにも長い亀裂が・・・  カネ・ヌイ・オ・ハモ方向は雨で見えず。

この場所は私の好きな場所のひとつで、お時間があると時々立ち寄りますが、こんな身近な場所に大きな変化があると、なかなか感慨深いものがあります。
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プウオオからの大量の蒸気が崖を降ります  エンドオブロードは車がガラガラでした。
久しぶりの光景ですが、やはりプウオオからの火山ガスの成分が変わったのでしょう、蒸気が多く色も違います。オーシャンエントリーの煙の色に近い感じでした。
エンドオブロードは車が数台。2004年から2005年の5ヶ月溶岩が見えなかった時を彷彿とさせます。
見えないときほど、ガイドの技量がツアーの良し悪しを左右します。
お客様の満足度はガイドの質が90%と言っても過言ではないでしょう。我々にとっては、自分の実力を知る良い機会で、自分のガイディングの欠点や勉強不足を知り、進化する良い機会です。
今日もテンション上がりま~す!
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2003年4月溶岩流 ここから奥は・・・        立ち入り禁止です。崩壊の危険が
今まで24年間も赤い溶岩を流し続けたプウオオ噴火口。突然のマグマ供給が止まり、急速に収縮し、内部の圧力が低下した火口を含めたチュ-ブシステム。
圧力が下がると、地下水の浸入による急激な体積膨張なども起こりえるでしょう。
今までとは違った方向への力や、急激な圧力変化は、時に予期せぬ現象を引き起こします。
圧力が下がること自体が、重力という力をまともに受けることになり、崩落の可能性も出るのかもしれません。安全が確認されるまでは、皆さんも決して立ち入らないようにしてください。
以前には立ち入り禁止を無視して、崩落に巻き込まれ、命を落とした人もいます。
今回のお客様は、前回私のガイドで溶岩の目の前まで歩いたリピーター。今回は初ハワイ島のお姉さん夫婦とともに参加されました。リピーターの方にも、初めての方にも驚きの連続のキラウエア。
来る度に違うのがここの面白いところ。ガイドの私をもワクワクさせるすごい場所!
ガイド人生18年を振り返ってもこんな場所は無いです。
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ほぼ満月。しかもあれが出る条件が・・・  粘った甲斐があった!出ましたムーンボー
日をまたいで30日の午前3時過ぎが満月なので、ほぼ満月の状態。しかもムーンボーが出る条件がバッチリ揃っていました。条件が揃う場所に良い時間で行くよう時間調整してロービームで走ると、出ました出ました!ムーンボー!
しかも金星と土星が仲良くアクセントで輝いてました。肉眼でも色がはっきりわかるきれいな月夜の虹です。月光で浮かび上がる幻想的なムーンボーにお客様も大興奮でした。
三脚をお貸しして、お客様も写真を撮りました。うまく撮れましたか?
一連の急激な変化も、収束方向にありますが、ゆっくりとマグマの圧力を高めているキラウエア。
しばらくはおとなしく噴火の時までエネルギーを蓄える時期なのかもしれません。
でも、決して活動をやめたり、弱めたわけではありません。
今までは流路が確保され、流れ出やすかったために、安定して少しずつ流れていましたが、出にくくなった分、突き破るのに必要な大きなエネルギーを蓄える時期なのかもしれません。
マグマはリザーバーに今までどおり供給されているようなので、噴水のような噴火が見れる日もきっと来るのではないでしょうか。
今後目が離せないキラウエアです。